2.16けんり総行動
すべての争議の勝利かかげ背景資本や当局に抗議行動


 労働争議には、現代社会の縮図の面がある。「人を踏付にして自分だけイイ思いをするなんて、やってはいけませんよ」との小学校での教えを忘れてしまった、学歴優秀な省庁の官僚や大企業の経営陣。たとえ学校での成績は悪かったとしても、この教えを身につけてしまったため争議当該になってしまった人たち。争議団は、紳士面の下に隠れている嘘八百・居直り・脅し・懐柔といった人間のすごい醜さと向き合わざるをえず、他方、仲間からの援助・支え・連帯・共感といった人間の限りない美しさと接し続けなければならない。この両極端に身を置く激烈な矛盾は、止揚される必要がある。

 すべての争議の勝利を

 2月16日、「99春闘で国鉄闘争・すべての争議の勝利を」と、けんり総行動が闘われた。朝から全都22箇所へ、500人ほどが3コースに別れて抗議申入れ。
 「太平洋汽船、一等機関士・竹中さん」が原職復帰・完全勝利の報告をした。争議団の置かれた激烈な矛盾を、彼は7年7ヵ月の闘いで止揚した。海員組合の非協力、つまり、敵からの連帯切崩のなかで、手作りの連帯育成、つまり、「竹中支援会」を創りだしての勝利だった。4月から乗る船は、以前と違ってアジア人超低賃金船員が大多数。日本人船員との関係は植民地並というなかで、新たな連帯の輪の拡大をと、彼は抱負を語った。
 倒産争議が3つ。「全国一般・カメラのニシダ再建委員会」は、背景資本の東京相和銀行を攻める。「全統一労組シャルマン分会」も、背景資本の日商岩井を攻める。「全日建連帯労組東亜分会」も、背景資本の住友銀行を攻める。3つの争議団は相互の共感を生み出しているだけでなく、久しくなかった倒産争議の方法論を復活・継承・発展させるうえでの連帯を培っている。今後多発するだろう倒産争議に対しての牙城だ。
 20周年を迎える4・28反処分闘争は、他省庁とは異なる鉄門閉鎖対応の郵政省を攻めた。昨年末、全逓本部への「組合員資格の剥奪は違法・無効」という司法史上初の最高裁決定を受けての、同罪人(本部=省)糾弾だった。更に、日逓本社(郵政官僚と全逓役員天下り先の下請け輸送会社)へ、京都日逓の期間臨時社員・稲井さん解雇撤回で申入れ・交渉。愛媛日逓の仲間も駆け付けるなど、日逓各地での争議の連帯と、本工・下請けを越えた連帯とが、共に全逓大労組の裏切りに抗して育まれている。
 その他、外国人労働者の争議、石油業界再編とも対峙した争議、戦後補償問題を指弾する争議、就業規則で労組活動を禁じるという非常識を撃つ一人争議等々。皆が合流し、夕方は労働省前で、この日のメインスローガンの一つ「倒産・失業NO!派遣法改悪NO!」を闘いぬいた。派遣法改悪は、労働者の連帯・団結の基礎に手を掛けた攻撃でもあり、争議団はそんなことは絶対に許さないのだ。

国労東京主催の決起集会

 そして、2・16けんり総行動の中軸は、全争議団の未来を左右する国鉄闘争。この日は、JR採用差別で首切りがなされてから12年目。1月20日からの運輸省前・衆院議員会館前の座込みや、JR主要株主への別途の要請行動と共に、この日、昼はJR東日本攻め、夜は九段会館での決起集会を闘った。労働者生産協同組合や村おこしなど、国労闘争団を先頭に切り開いてきた高度な連帯。これを切り崩そうとする5・28不当判決からの一連の攻撃=嘘八百・居直り・脅し・懐柔といった醜さ。これに対し、この日のけんり総行動は、援助・支え・連帯・共感といった美しさを対置したのだった。        

(N)


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