夏季一時金カンパの訴え

(インターナショナル第166号:2006年6月号掲載)


 読者・友人のみなさん。
 イラクに派遣されていた陸上自衛隊の撤退は、7月17日に無事完了しました。
 「9・11テロ」を契機に、アメリカが陥った無謀な単独行動主義に引きずられて強行された史上初の戦闘地域への自衛隊派兵が、懸念された「戦死者」を出すこともなく、そして何よりも派遣された自衛官たちの手がイラク国民の血で染まることもなく撤退できたことは、考えられる限り最良の結果だったと言うことができると思います。
 もちろんその最良の結果でさえ、海外派兵という明白な憲法違反を正当化できる訳ではありませんし、イラクの内戦状態は、自衛隊を含む多国籍軍の相次ぐ撤退とは関係なく激化しつづけてもいます。
 いまやイラク戦争は、その正当性が根底から揺さぶられる事態に直面しています。しかもそれは、「9・11」の衝撃で一挙に報復戦争の扇動へと突進したアメリカのマスメディアが、テロと報復戦争の応酬を呼び起こした事態の再評価を、おずおずとではあれ始める動きを伴っており、国際情勢の変化を確認するのに十分でしょう。
 こうしたアメリカの動向と比べたとき、北朝鮮のミサイル発射問題で見せた日本政府の強硬姿勢は、変化しつつある国際情勢とは大きく乖離した、異様なまでの突出ぶりが際立っています。
 こうした日米両国のギャップには、良好だと言われている日米関係の、実はかなり危うい現実が反映しているのです。それを象徴的に示しているのが、日米両国首脳の親密な交流の陰で停滞する両国の次官級会談、とりわけ在日米軍再編などに関わる「日米戦略対話」の停滞なのです。
 小泉の言うように、「日米関係さえ良ければ中国やアジア諸国との関係も良くなる」としても、その前提である日米関係は今、戦略対話の停滞を原因として、対アジア戦略のちぐはぐさを露呈しているのです。
 この現実は、「良好な日米関係」を前提にしたポスト小泉レースの様相を、根底から覆さずにはおきません。というよりも、的外れな対北朝鮮強硬路線などを売り物にしたポスト小泉政権では、変化する国際情勢に対応できないことは、十分に予測できる局面が始まりつつあるのです。
 読者・友人のみなさん。
 小泉パフォーマンスに象徴された政局の一時期は確実に終焉しつつあり、来年の参院選で自民党が議席を減らす可能性は、ますます強まっています。
 情勢の変化を引き寄せるこの局面を共に闘い抜くために、夏季一時金からのカンパを寄せられるよう訴えます。

 

****【カンパの送り先】****

●郵便振替:00180−0−355270 メルト


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