●年末一時金からのカンパを訴えます

(インターナショナル第160号:2005年11月掲載)


 今年9月の総選挙では小泉自民党が圧勝して、衆院には議席の三分の二を越える巨大な与党勢力が誕生しました。
 選挙での争点は多々あったとしても、郵政民営化法案への賛否を問う国民投票とうそぶく小泉の選挙戦術は、4年前に自民党総裁選挙で起きた「小泉旋風」の再来を思わせる勢いをつくることに成功したのです。
 この選挙結果について、惨敗を喫した民主党ばかりかマスコミまでもが驚き恐れ、「事態の本質を理解しない大衆」が小泉を押し上げたことを非難する「識者」が続出するという滑稽な事態も起きました。
 しかし読者、友人のみなさん。
 選挙から一月も経ないうちに小泉を支持する熱狂はすっかり陰を潜め、なお先行きの不透明な経済状態や、好転の兆しさえ見えない対アジアでの小手先の対応、さらに米軍再編問題での没主体的なブッシュ政権への追随などに疑惑の目が向けられ、鬱積した不満や批判が現れ始めてもいます。
 小泉政治の限界は、結局は戦後日本の保守勢力が歩んできた国際戦略を一層純化した親米路線として踏襲し、アメリカモデルの新自由主義経済政策を上から、しかも米系多国籍資本に比肩する巨大企業がほんの一握りしかない日本資本主義の現実に目を塞いで、ただ遮二無二移植しようとする「戦略なき構造改革」に刻印されているのです。
 さらに頼みのブッシュ政権は、ハリケーン被害が暴き出した無策を機に支持率の急低下にあえぎ、BSE汚染疑惑の消えない牛肉の輸入再開を強要し、改憲など眼中にないかのように合意を迫る米軍再編と、むしろ自己保身のために小泉の更なる忠誠を求めるがごとき対応を強めてさえいます。
 かくして問題は300議席の巨大与党が泥の足の巨人であることを喝破し、労働者の首切りが株式時価総額を増やすことだと称賛されたり、障害者や高齢者に対する社会保障の切り捨てを「個人の自立」や「選択の自由」にすり替える言動がまかりとおる、まさに「戦略なき構造改革」が日本社会に押し付けた社会的荒廃を撃ち、社会的公正を期す新たな再配分システムを構築して拡大しつづける格差の是正を要求して粘り強く闘う運動と、これを基盤とする政治勢力の形成が重要な課題として浮上しています。
 こうした運動と政治勢力の形成は国内的な力関係だけ見れば困難ではあっても、小泉政治を包囲しつつあるアジア民衆の反日運動と連携し、しかも旧来の保守と革新の壁さえ越えて社会的公正の実現で一致できる最も広範な連合勢力の形成という展望に立てば、決して不可能ではないと確信します。
 読者、友人のみなさん。ともに新しい一歩を踏み出すために、年末一時金からのカンパを心から訴えます。

****【カンパの送り先】****

●郵便振替:00180−0−355270 メルト


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