夏季一時金カンパを訴えます

(インターナショナル第180号:2008年6月号掲載)


 福田内閣の混迷が、この国の閉塞感をさらに加速している観があります。
 山口の衆院補選と、沖縄県議会選挙での与党・自民党の連敗は、いわゆる民意が、福田内閣と自民党から離れているいることを如実に示しています。
 現に各種世論調査でも、内閣支持率は20%台に落ち込み、与党・自民党の政党支持率も民主党に逆転され、これまでの「永田町の常識」で言えば、福田内閣は「死に体」と呼ばれているでしょう。
 自民党にかつての活力があれば、党内では「福田降ろし」が画策され、内閣総辞職の声が高まり、「政権たらい回し」に向けた臨時党大会開催や、総裁選挙の繰り上げ実施を煽る有力議員の発言が繰り返され、次期政権をめぐる駆け引きが活発になって不思議がない事態と言えます。
 ところがその自民党では、「福田内閣を支える」と繰り返し強調する一方、福田が表明した諸政策は事実上否定するといった、面従腹背を地で行く有力議員の発言が相次ぐ異様な行為が横行しています。

 父・福田赳夫元首相から受け継いだ「規律と安定」を信条とする福田の政治は、行政の担い手である中央省庁の国家官僚と、地方や業界の要望を吸い上げ、その要望に沿って予算の分捕り合戦を繰り広げる「族議員」との協調を重視するものであり、経済成長を謳歌できた時代なら「堅実な政治」と評価されたかもしれません。
 しかし90年代以降の長期不況と、民活によるサプライサイド(供給側)の強化という、いわば「企業優遇の改革」で苦境に直面させられた「中産階級」から見れば、福田の政治信条は、例えそれが「行き過ぎた改革の是正」だとしても、政治利権に群がって「税金のムダ使い」を繰り返す「政官財癒着構造」の復権に他ならないでしょう。面従腹背が横行する自民党の現状も、福田にしがみついて利権防衛に汲々とする、「守旧派」の醜悪さに見えるでしょう。

 こうした福田と自民党の体たらくは、この国の戦後保守政治が、あらゆる展望を喪失して終焉を迎えている兆しなのです。その意味で、長きにわたって死語と化してきた「政権交代」が切実に、また現実的になった時期はないと言えます。
 もちろん、自民党に代わるべき野党・民主党も、民衆の苦境に応える能力があるとは思えない懸念はあります。それでも「自民党政治」に一旦は終止符を打たなければ、現在の閉塞感を振り払う可能性でもある政界の流動化も、停滞することでしょう。
 わたしたちは、今秋とも言われる総選挙において、やはり「政権交代」を最大の目標として、微力ながらもあらゆる努力を傾けたいと考えています。
 読者、友人のみなさん。夏季一時金の中から、いくばくかのカンパを寄せて下さるように訴えます。

【郵便振替】00180−0−355270(メルト)


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