新たな研究会テーマ決定のための討論


1)今後の方向:グループメンバー各位あてメール

●6月7日に世話人会を開き、6月25日(土曜)に予定していたグループ研究会について、以下のように
 予定を変更することを確認いたしましたので、お知らせします。

・当初の予定では、今年10月くらいまでをメドに、《アメリカ型資本主義の歴史的展開と総括》をテーマにした研究会を5回行うことにして、6月25日は佐々木のレポートで《アメリカ資本主義の今》を行う予定でしたが、この研究会を中止して、今後の研究会の持ち方を、そのテーマをも含めて再検討する討論会に変更する。

【企画変更の理由と世話人会からの提案】
*前回(4月24日)の第1回研究会も、「3・11以後」を議論する討論会に変更しましたが、現状はやはり、脱原発の動向や、被災地支援の様々な動向を踏まえて、直面する状況により具体的に関わるテ ーマで研究会を組織すべきだろうと考えて、《アメリカ型資本主義の歴史的展開と総括》の研究予定を一旦棚上げにすることにしました。

*したがって6月25日は、《直面する状況により具体的に関わるテーマ》を何にするかについて、メンバー各位の忌憚のない意見を出してもらう討論会として、同じ会場で開催することにしました。

*新しい研究テーマについて、世話人会からの提案は 《現代日本社会とは何か ―3・11以降、それはどう変化しつつあるか》ということで、25日には、佐々木と千葉が討論のたたき台となる問題提起を行う 予定です。

*夏季合宿の議論のメインテーマとなる可能性のある内容ですので、一人でも多くのメンバーがこれに出席し、意見を出していただければと思います。


2)今後の研究会の進め方:グループメンバーあてのメール


*以下は、合宿の議題と関係する世話人会と6月研究会の報告です。


@6月7日(火曜)世話人会の報告

 前回(4・24)の研究会テーマを急遽変更し、3・11大震災をめぐる討論を行ったことを受けて、今年2月のグループ総会で確認したグループ研究会の今後の持ち方について再検討を行った。

 その結果、当初予定した「アメリカ型資本主義の歴史的展開と総括」というテーマを一旦棚上げにして、3・11の衝撃と今後の日本社会への影響など、実際的な社会的動向と切り結ぶような研究テーマの必要性を確認し、とりあえず「現代日本社会とは何か―3・11以降、それはどう変化しつつあるか」を仮のテーマとして提案し、会員の相互討論を通じて今年後半の研究テーマを決定するために、6月25日に「対論サークル21」を開催することにした。【6月9日付「ピジョン」で配信】


A6月25日(土曜)研究会「対論サークル21」の報告

 当日の参加者は7人だったが、この間メールなどで様々な動きが紹介されていた被災地支援の動きや、超党派の議員が集う「エネシフ・ジャパン」の動向の報告を含めて、「現代日本社会」の研究に関する討論が行われた。

 提案された研究テーマは、

a)「近代日本の共同体」や「農漁村の共同体=vなど、大震災と津波被害からの復興のイメージと災害に抗する社会的基盤に焦点をあてた「共同体論」、

b) 1930年代の昭和恐慌と社会的危機が「政党政治の崩壊」へと帰結した近代日本の歴史的総括、

c)各地の共同体を基盤とする様々な挑戦や経験を通じた「復興イメージ」の検証

などで、それぞれについて討論がおこなわれた。

 a)については、いま話題のマイケル・サンデル教授が自認する「コミニタリアニズム」(共同体主義)から、日本では90年代に盛んに唱えられた「ゼロ成長社会」と共同体を基礎にした地産地消運動など、新左翼(とくに革共同系)がほとんど興味を示さなかった多様な社会運動の試みなどについても討論され、テキストとして農山漁村文化協会のシリーズ出版「地域の再生」が紹介された。

 b)については、菅民主党政権の迷走と震災対応そっちのけの権力闘争という、自民・民主の二大政党を貫く混迷を1930年代の政党政治の危機と比較検証し、政党再編をはらむ政治的危機の中に、戦後日本社会(政治)の行き詰まりの要因や基盤を解明しようとする提案であった。

 c)は、aに関する討論の中で提起されたテーマだが、地域の再生シリーズの『@地元学からの出発』のような実践的経験や試みに沿った共同体の研究≠ナあり、90年代にも『もうひとつの日本地図』(92年10月刊)のような出版があり、地域共同体の再生を基盤とした脱成長の展望に関わる研究テーマである。



B7月4日(月曜)世話人会の報告

 6月25日の研究会討論を受けて、今年度後半の研究会の日程とテーマおよびテキスの選定について、世話人会で検討した。

 結論としては、10月15日(第3土曜)、12月10日(第2土曜)、来年の2月18日(第3土曜)の3回を第T期として、現代日本社会を構成する「共同体」と「市民社会」について研究会を開催することにした。

具体的な内容と日程は・・・・


▼第1回は、山内節著『共同体の基礎理論』(農文協刊「シリーズ地域の再生A」)をテキストに、須永がレポートを担当《10月15日》


▼第2回は、守田志郎著●人間選書『日本の村―小さい部落』(農文協刊)をテキストに、江藤がレポートを担当《12月10日》


▼第3回は、植村邦彦著●平凡社新書『市民社会とは何か―基本概念の系譜』をテキストに、佐々木がレポートを担当《2012年2月18日》


とすることにした。

 最終的にはグループの夏季合宿(8月27-28日)で日程およびテーマ・テキストを確定して実施することにした。


研究ノートtopへ hptopへ